データサイエンス・マーケティング NOTE

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経営者・マーケターが読むべき「成果が出るマーケティング」のための書籍5選

Posted by tanabe on 2019/09/12 11:00:00

 これまでのWEBマーケティングでは、いわゆるSEO対策として、アクセス数をあげること、つまり、Google検索で上位を獲得することが使命でした。しかし、Googleの検索アルゴリズムが高度化し、静的なWEBサイトでは対応できなくなってきました。そこで、アメリカでは、WEBマーケティングの新しい取り組みがなされ、書籍が出版されています。最近、日本でも同様の考え方が広まっており、訳書の出版が相次いでいます。その中から5冊ほど、ご紹介したいと思います。

cover story

"人材派遣会社でマーケティングや広報に携わる田中櫻子さん。ミーティングの度に、社長からWEBサイトの効果について聞かれるものの「アクセスは上がってます。」程度の回答しかできず、いつも歯切れが悪くなってしまいます。そこで、Amazonの書評を見ながら本を買おうと思いましたが、最近のマーケティングの本はカタカナのタイトルが多くてどれが良いかわかりません。そこで、会社帰りに大型書店に足を運びました。しかし、ここでも、似たようなタイトルが多くて結局決めきれません。そんなあなたに、オススメの5冊をご紹介します。"

 

目  次

1.はじめに

2.カスタマーサクセス

3.The Model

4.成約のコード

5.データ・ドリブン・マーケティング

6.インバウンドマーケティング

7.おわりに


1.はじめに

 WEBマーケティングの初めの目標は、アクセス数の増加です。最終目標はお客様に満足していただくことです。これらの目標を達成するために、WEBに誘導し読まれる・見られるコンテンツを提供します。そして、CRM+MA+SFA+SAなどを駆使し、顧客とのコミュニケーションをふかめていきます。今回、ご紹介する5冊の書籍は、弊社のマーケティングコンセプトの基になった書籍も含まれています。大手企業がこれだけWEBマーケティングに力を入れているのに、中小企業も力を入れなくてはどんどん大手企業の寡占化が進んでいきます。アクセス増加から実際の売り上げに繋げていく考え方、方法、組織など、WEBマーケティングが意外に幅広いということをご理解いただけると思います。

concept

MARVELSUPPLYのマーケティングコンセプト


2.カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則 

 カスタマーサクセスは、簡単に訳せるように「顧客の成功」です。商品やサービスを提供するものにとって、当たり前の考え方です。では、これまでと何が異なるのでしょうか。

 カスタマーサクセスの似たようなものの一つは、カスタマーサービスです。例えば、コールセンターだったり、アフターサービスがこれにあたります。このカスタマーサービスの目的は、商品やサービスの水準を維持するために行われるものであり、顧客を成功に導くための活動ではありません。

 カスタマーサクセスは、顧客を二人三脚で、成功のために歩を進める活動です。このような活動が必要になっている背景には、サブスクリプション型のビジネスモデルの台頭にあります。サブスクリプション型ビジネスモデルは、単に商品やサービスを分割払いしているのではありません。商品やサービスを使い続けて、目標を達成するものです。

 例えば、Amazonプライムを例にとってみましょう。価格が改定され、年間4900円になりましたが、一部の書籍、音楽、ビデオが見放題、送料が無料など非常に特典が多いサービスです。このようなエンターテイメントは、たいてい1度読んだら、聞いたら、見たら、それで満足感が得られるので、新しい作品を追加していかなくてはいけませし、最新の作品を買ってもらい顧客ロイヤルティが向上しなくてはなりません。つまり、私たち顧客が、いつもどこでも楽しいエンターテイメントを享受できることがAmazonプライムのカスタマーサクセスと言えるのではないでしょうか。このようなカスタマーサクセスに導くための考え方や方法についてきちっと解説してくれます。

【対象となる業種】士業・不動産賃貸・サブスク型IT・日配型食品などの長期契約型ビジネス 

 


3.The Model

 おそらく、このブログの読者のみなさんは、「Sales Force」という営業管理システムや会社名を知っていることでしょう。創業者であるマーク・ベニオフとなると、経済系雑誌をたくさん読まれている方がようやく知っているでしょうか。

 「Sales Force」が世界一の営業管理システムであることは、世界で15万社以上が導入していることで明らかなことです。では、どのように「Sales Force」が成長してきたのでしょうか。また、今後の成長戦略はどのようなものでしょうか。

 そのカギとなったのが、マーケティングであり、インサイドセールスだったのです。これまでの営業といったい何が

違うのでしょうか。これまでのマーケティングはいわば成果が求められていませんでした。認知率やブランド価値といったものの定量化には取り組んできましたが、それを改善したことが、どのように利益に結び付くのかは意識されていません。そのような状況にベニオフらは問題意識をもち、改善に取り組みました。そこで、行われたことがプロセスの改善です。マーケティングの使命は、営業に良い見込顧客を提供することと位置づけ、インサイドセールスがアポイントをとって、フィールドセールスに引き継ぎます。このようなプロセス改善を「Sales Force」は行いました。近年、それに加えて、「Pardot」を買収し、「Sales Force」は強力なマーケティング機能も有したシステムに進化しました。ベニオフなど錚々たるメンバーの息遣いが聞こえるようなリアリティある著書です。

【対象となる業種】経営者や経営幹部・広告代理店・出版・事務機器・卸業などBtoBを主体にした業態の方



4.成約のコード

 評価の別れる神田昌典氏の新刊です。タイトルのとおり直球の内容です。著者のクリス・スミスは、主に不動産向けのインバウンドマーケティング事業を営むCurator.comの経営者です。マーケティングオートメーション(MA)は、弊社も使っている今のところ最強のマーケティングツールで、それをどういかしていくかということが書かれています。MAは、少ないリソースでも、顧客や見込顧客とのコミュニケーションを活性化できるツールとして、大企業では数人のメンバーで数万人の顧客とのコミュニケーションを実現できますし、中小企業では1人で全ての顧客とのコミュニケーションを実現します。しかし、このコミュニケーションの実態は、ほとんどがインターネットを介したデジタルなコミュニケーションであり、そのまま売り上げにつなげることは現時点では難しいと言わざるを得ません。そこで、デジタルからアナログに移行する鍵が必要になります。その鍵となるのがインサイドセールスです。弊社も実施していますが、インサイドセールスは非常に有効な考え方であり、組織づくりでもあります。神田昌典氏の著書に抵抗がある方にもぜひご一読いただきたい著書の1冊です。

 


5.データ・ドリブン・マーケティング

 このデータ・ドリブン・マーケティングは、経営者視点で書かれたものです。この書籍をオススメする一番の理由は、わかりやすいKPI15指標について詳細に書いてくれています。15の指標は下記のとおり。ネタバレですね。でも、大丈夫です。指標を見ただけでは、著書が本当に伝えたい内容は理解できません。例えば、正味現在価値(NPV)を計算するのは、もちろん普通の計算式で出すことができますが、様々なリスクを加味して計算しようということを提案しています。その分できには、@RISKを使ってモデリング+シミュレーションしましょうというところまで示唆してくれます。今時、@RISKですかと思ったら、2005年前後のデータが多いので、手法やツールの古めかしさはありますが、それを加味しても十分に読み応えのある1冊と言えるでしょう。中小企業には持て余す事例も含まれていますので、指標やその算出方法の参考書としてお勧めします。

1.ブランド認知率
2.試乗(お試し)
3.解約(離反)率
4.顧客満足度
5.オファー応諾率
6.利益
7.正味現在価値(NPV)
8.内部収益率(IRR)
9.投資回収期間
10.顧客生涯価値(LTV)
11.クリック単価(CPC)
12.トランザクションコンバージョン率(TCR)
13.広告費用対効果(ROAS)
14.直帰率
15.口コミ増幅係数(WOM

 


6.インバウンドマーケティング

 このインバウンドマーケティングの著者であるブライアン・ハリガンとダーメッシュ・シャアは、HubSpotの創業者です。彼らは、MITでの研究成果をHubSpotとして世の中に送り出しました。彼らが提唱するマーケティングは、顧客に広告を送り出す(アウトバウンド)のではなく、企業が情報を発信し、惹きつける(インバウンド)マーケティングです。これをインバウンドマーケティングと定義し、実行できるツールを開発しました。オンライン上でどのように見込顧客を惹きつけ、顧客化し、満足させるのか、それを一貫して実行できるツールがHubSpotです。このインバウンドマーケティングの考え方を常に胸に置いてマーケティングを実行すると、自然に顧客満足度を高める企業活動を実践することに繋がります。さらに、業務プロセスの改善や従業員の役割分担も効率化されていくことに繋がります。マーケティングの改善が、企業の問題点を浮き彫りにし、それらを改善することが、顧客満足になるという「風が吹けば桶屋が儲かる」のような一見関係のなさそうな取り組みを是非とも体験していただきたいと思います。このような取り組みについて、具体的な方法が書かれているインバウンドマーケティングは、上記の4冊の基本として一読しておくべき書籍です。



7.おわりに

 カタカタ・英語のタイトルの5冊をご紹介しましたが、最近のマーケティング関連書籍は、アメリカの著書の翻訳本が多いように思います。それは、マーケティングにはITやインターネットが積極的に使われており、従来型のマーケティングから移行を進めてきたのが、アメリカ企業だったためでしょう。その一つの結果として、近年のニューヨーク株式市場には、HubSpotをはじめ、多くのビジネスソリューションベンダーが株式公開を行いました。

 マーケティングオートメーションは、アメリカでは15万社が導入しいると言われていますが、日本ではまだ5000社程度です。ITによるマーケティングは、まだまだ成長過程で、今後も導入企業が増えていくことでしょう。3年先、5年先の見込顧客を確保することが企業の成長に繋がります。貴社もマーケティングの見直しから企業活動を見直してみてはいかがでしょうか。

Topics: インバウンドマーケティング, HubSpot, マーケティングオートメーション