データサイエンス・マーケティング NOTE

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北海道IRショーケース:ほぼHardRock experienceについて

2018年訪日外国人数が3001万人ととうとう3000万人を超えました。約1億2千万人強の日本にその約1/4の外国人が来ていることになります。東京、大阪、京都、札幌といった大きなキャパシティの宿泊施設をもつ観光地では、もっとたくさんいる計算になるでしょう。IR実施法案が成立し、国内にも3箇所に建設されることが決まっています。北海道に進出する会社はどこになるのでしょうか。Hard Rockインターナショナルのプロジェクト発表会を報告します。

IRとは、Integrated Resortの略で統合型リゾートと言われます。何が統合されているかというと、ホテル、遊園地、プール、エンターテイメントホール、博物館・・・・そして、カジノです。カジノがまるで悪者のように扱われますが、それは射幸性が高いことに所以します。つまり、労無くして富を得るので嬉しい、ということです。ただし、カジノに限らず、ギャンブルは全て射幸性が高く、パチンコ、競馬、競輪、競艇、オートレースどれも同じです。カジノで賭け事をすることはゲーミングと呼ばれていて、ポーカーなど技術が必要なゲーミングもあります。IRの中のカジノだけを切り取って、善悪を議論することは建設的ではありません。

 2018年1月9−10日に札幌で、北海道IRショーケースが開催され、その中から、Hard Rockインターナショナルのプロジェクト発表会を報告します。Hard Rockインターナショナルの概要は下記の通りです。

「ハードロック」ブランドの歴史は、1971年にロンドンで始まりました。当時ロンドンにあったハンバーガーレストランが閉店し、その店の常連だった2人のアメリカ人、アイザック・ティグレットとピーター・モートンが自分たちの店を開こうと決意したのがきっかけです。2人は、ロールスロイスの販売店があったおしゃれなメイフェア地区の一画にアメリカン・スタイルのダイナーをオープンさせ、「ハードロックカフェ」と名付けました。これがハードロックの伝説の始まりです。

以降、ハードロックは拡大し、カフェのみならず、ホテルやリゾート、カジノなど200以上もの施設を世界70カ国以上に展開する一大ホスピタリティ企業にまで成長し、今も世界各地で新しいリゾートやレストランの開発を行っています。

誰もが一度は見たことがあるハードロックのロゴは、ビートルズのアルバムジャケットなどで知られているアーティスト、アラン・オルドリッジがデザインしたものです。 


出典:Hard Rock Japan webサイト:https://hardrock.co.jp/

 私がおどろいたのは、私たちが知っているHard Rock Cafeなどのエンターテイメント施設は、フロリダ州の先住民族であるセミノール族の完全子会社であるということです。日本だとアイヌになるのでしょうが、セミノール族は、アメリカ政府に征服されなかった民族であるということです。

 そんなHard Rock Cafe Internationalが北海道でIRを作ろうというのは、空港、港湾、道路などのインフラが充実しているというだけではなく、セミノール族とアイヌという少数民族という共通点だったり、ラムサール条約にリストアップされているエバーグレーズ国立公園とウトナイ湖だったり、という歴史や自然環境といった共通点もありそうです。

 さて、北海道IRショーケースのHard Rockブースは下記のような様子です。マイケル・ジャクソンの衣装、エリック・クラプトンのギターなどは、オハイオ州クリーブランドにあるRock and Roll Hall of Fameというロックの殿堂博物館に所蔵されているものを展示しています。(ここには私も行ったことがあり何時間でも見ていれられる施設です)

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ネオンマン?

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エリック・クリプトンのギター

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マイケル・ジャクソンの衣装

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レディ・ガガの衣装

 

  メインは、苫小牧市周辺で計画しているというIRプロジェクトです。中央にあるギター型の建物がホテルでFour Seasonsが運営、Rock and Roll Hall of Fameの日本ブランチもできるそうです。もれなく、カジノもできるでしょう。ブロードウェイで公演されているミュージカル「キング・コング」も上演したいとCEOが仰っていました。

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 最後に、社長個人のご厚意で、厚真の地震の義援金10万ドルが、北海道コンサドーレ札幌の野々村社長に手渡されました。

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 3〜5千人の雇用を見込んでいるということですので、経済的なインパクトは計り知れないです。アメリカのエンターテイメントは、本当によく考えられていて素晴らしいものばかりです。日本にくると、さらに進化します。以前、アメリカに中心市街地の活性化の調査に行って、現地の人に「君たちには東京ディズニーランドという良いお手本があるじゃないか」と言われたことを思い出しました。

Topics: その他

この記事を書いた人: 田邊 慎太郎 on 2019/01/10 10:00:00

1974年生まれ。MARVELSUPPLY 代表取締役社長・MBA 大学卒業後、シンクタンク研究員を経て、同社を設立 データサイエンス分野を中心に活躍。 データに基づく分析によってお客様に理解・納得していただける 戦略や戦術の提案を心がけています。 小樽商科大学大学院ビジネススクール卒業