毎年恒例、11月1日は年賀状の発売日でした。
ほぼ1年ぶりに顧客名簿を整理している。または、そろそろ整理しないといけないと考えている。そんな会社も多いのではないでしょうか。
もし、まだ、顧客名簿をエクセルや宛名書きソフトなどで整理しているのでしたら、これを機会にCRMを導入してみましょう。無料で使えるCRMを5つ紹介し、年末のご奉仕として読者特典をご用意しましたので、最後までお読みください。
5.ブログ読者特典
さて、CRMについては、以前の記事「顧客管理システム(CRM)でお客様を大切にできる5つの理由」にも書きましたが、Customer Relation Management顧客との関係を管理するシステムで、つまり、顧客との関係を強くしていくためのツールです。エクセルをクラウド化しただけでしょと思っている方は、大きな誤解をしています。逆に、これにデータをあげれば、勝手に売上があがるという他人任せも厳禁です。あくまでもツールですので、継続的に運用していくことが必要です。
①データ入力の簡素化
データの入力作業は、定期的に行わなければ、貯めてしまうと非常に処理がしにくいものです。特に、経営者や役員、生産部門、研究部門といった非営業職にとっては、非常にやっかいなものです。あなたの会社では、非営業職の名刺をどのように管理していますか。個人管理になっている場合が多いのではないでしょうか。名刺交換してきた名刺は、できるだけ早くCRMに登録することをお勧めします。
その際には、入力フォームがあった方が入力しやすいですし、入力補助機能(プルダウンメニュー)があれば誤入力の防止につながりますし、名刺交換の日付、入力した日付などが記録されるような機能があれば、データ入力が簡素化できます。
②顧客データの共有化・一元化
CRMの2つ目のメリットは、何と言ってもデータの共有化・一元化です。社長をはじめ全ての従業員が顧客情報を共有化できます。ほとんどがSaaSなどのクラウドサービスになっていますので、オフィス内はもちろん出張先でも、あらゆるデバイスでアクセスするこができます。なお、ほとんどのCRMでは管理者しかデータのエクスポートができないなどのセキュリティ対策がとられていますが、適正な管理ができるように社内規定の整備をお勧めします。
③顧客へのコンタクト状況の管理
顧客データを共有化・一元化して、いわゆる電話帳をつくっただけでは、CRMのベースをつくっただけと言っても過言ではありません。前述したように、CRMはCustomer Relation Management顧客との関係を管理するシステムでなければなりません。ですから、顧客とのコンタクトする手段が使える方が便利です。
例えば、CRMから電話ができる、CRMからメールが送れる、CRMに訪問記録が残せるといったことです。
これらのコンタクトを記録していくことで、個人戦で戦うチームからチームで戦えるチームに変化できるようになります。また、コンタクトを追跡したり、分析したりすることで、よりうまくお客様に対応する方法を見つけることができるでしょう。
④営業プロセスの見える化
最近のCRMには、営業支援ツールが用意されているものが多いです。コンタクト状況が記録されているなら、そのコンタクトの目的は、契約に向けてフェーズを進めていくことにほかなりません。
例えば、初回面談 ⇒ 仮提案書の提出 ⇒ 本提案・見積提出 ⇒ 内諾 ⇒ 契約 のようなフェーズであれば、フェーズを進めるために、必要なコンタクトや手段を経験ではなく記録として確認することができるでしょう。
新しいツールを無料ではじめられることは非常にありがたいことですが、多くのサービスは30日間程度の期間限定トライアルが主流です。しかし、CRMの準備は、CRMのアカウント登録、その後、データの整理や入力、そこから、CRMのフィールドにあわせたデータの加工、インポート、ようやく、運用開始となります。30日間の運用期間を設けられる企業があるでしょうか。また、それを継続するか否かの判断ができるかどうか、非常に難しいのではないでしょうか。
そこで、トライアル期間無制限のCRMを3種類ご紹介します。残念ながら、機能には制限がありますので、そこはご容赦ください。また、付加機能のトライアルには日数制限がありますので、ご注意くださいませ。
①ZohoCRM https://www.zoho.com/jp/crm/
弊社も一時期トライアルしていたCRMです。Zohoはインドで設立されたAdventNetが2001年にリリースしたCRMです。既に15年以上の運用実績があります。Zohoはアプリを追加していく感覚で様々な機能を付加できるようになっています。残念なのが、顧客情報をエクスポートできないことです。乗換え防止の策だと思いますが、一度使い始めたら、元に戻れないのは、突っ込んだ使い方ができない恐れがあります。
②FlexCRM® https://flexcrm.jp/
FlexCRM®は、日本製のCRMで現在、β版ということで、無料で使用できます。データ数が1000件までということで、中小企業向けとなります。グループウェアやプロセス管理も提供されていますので、非常に使い勝手がいいと思います。そのうち、SFAやMAといった機能も付加されていくのでしょう。その機能が有償でのサービスで、マネタイズされるのだと思います。まだまだ、未知数といったところです。
③HubSpot CRM https://www.hubspot.jp/products/crm
HubSpot CRMも、ZohoやFlexCRM®と同様の機能です。データをエクスポートできるので、多少、使い込んだ後に、やっぱりやめようということもできますので、安心して使えると思います。SFAの機能は十分に使える程度のプロセス管理が提供されています。基本的に、マーケティングオートメションのツールなので、使えたら便利だろうな、という機能が見えていますので、有償のサービスも気になるところです。
結局、どんなに良いツールでも、使う側が使い切れないのであれば、導入した目的を失ってしまいます。では、CRMを使い続けるには、どのようにしていけばよいのでしょうか。
・無理なスケジューリングをしないこと
営業担当者が、毎日、名刺を入力するのは、枚数が少ない日はともかく、枚数が多くなるととたんに入力しなくなってしまいます。もし、あなたの会社に少しだけ時間をさける事務員がいるのなら、1週間に1度、営業担当者の名刺を集めましょう。そして、Mybridgeをつかって、名刺の写真をとりましょう。Mybridgeは、データがエクスポートできますので、エクスポートしたデータを少し加工して、CRMにインポートすれば簡単に顧客情報を更新できます。
・顧客情報を隠さない社内風土をつくること
社長の名刺はどこにありますか。社長の机の中です。社長が名刺交換した名刺もCRMに登録しましょう。社長自身が、顧客情報を囲っているうちは、社員も顧客を囲い続けます。割れ窓理論と同じで、ちょっとしたほころびが全体に根深く広がっていき、顧客情報を隠すだけではなく、不正な取引が隠ぺいされているかもしれません。
・顧客情報を持ち出させないルールをつくること
業務上知りえた情報は、全て会社の資産です。
商品やサービスのみならず、顧客情報も重要な資産であることは疑いようがありません。名刺入れで管理している顧客情報、エクセルで管理している顧客情報は、それらが紛失したり、複製されたりしても、その事実を確認するのは難しいことです。CRMに顧客情報を登録しておくことで、顧客情報を持ち出させないようにしましょう。
もし、持ち出したなら個人情報保護法違反、業務に使ったなたら不正競争防止法違反など、罪に問われる可能性もありますし、民事訴訟で賠償しなければならないかもしれません。会社としてそういうことを安易にさせないルールの整備によって、従業員を保護する準備をしましょう。
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