あなたは、経営者としてマーケティングとセールスについて熟考したことがあるでしょうか。少なくとも、私はこのインバウンドマーケティングを学ぶまで、熟考し理解していたとは言えません。そこで、自戒も込めて、マーケティングとセールスについて整理してみたいと思います。
目 次
会社には、営業部門が必要です。
これは、誰もが同意するでしょう。
では、マーケティング部門は必要でしょうか。
・・・うちの会社の規模なら必要ない、という経営者もいるのではないでしょうか。
そもそも、御社では、マーケティングの役割を決められているでしょうか。
例えば、社業でのあなたの活動を思い浮かべてみましょう。業界団体・経営者団体への参加、ボランティア活動、ブログの執筆、著書の執筆、SNSの利用といったものがあるかもしれません。これらはどういう役割の活動でしょうか。
これらの活動は、全てマーケティングの役割ではないでしょうか。特に、中小企業では、経営者であるあなた自身が全てのマーケティングを担っているといっても過言ではありません。
あなた自身が担っているマーケティングは本当に不要でしょうか。
その展示会はセールスのためですか。マーケティングのためですか。両方ですか。
今日の社長と一緒の会社訪問は、セールスのためですか。マーケティングのためですか。
あなたが、もし経営者なら、もしくは部門の責任者なら、いつ誰がどこで何のためにどんな行動している(行動した)のか把握しておく責任があります。あなたは、前述の2つの質問に答えられますか。
会社としての前述の行動は、両方ともマーケティングの業務です。
展示会において、日本の場合、ほとんどの展示会場は即売するような設えの催事にはなっていません。また、社長と営業担当が会社訪問しその場でセールス行為が行われているなら、値決めの権限は社長にあるということですからその会社はまだまだ未熟な会社でしょう。
つまり、会社の業務プロセスにおいて、セールスの前にマーケティング活動が行われているはずですが、あなたの会社では、どこまでがマーケティングでどこからセールスなのか、しっかり切り分けられているでしょうか。
では、なぜセールスとマーケティングが混同されるのでしょうか。
企業において、セールスが花形部門、出世の近道として扱われている会社がほとんどでしょう。一方、マーケティングは人気部署である反面、他部門に比べると出世しやすい部署ではないようです。つまり、セールスには大きな期待しているが、マーケティングには期待をしていない、期待できないということです。特に、大々的にテレビCMができなかったり、メディアに取り上げられないような中小企業ではその傾向が強いのではないでしょうか。
中小企業においては、成果が出ない部門で人員を雇用する余裕がなく、成果が出ている部門を重用すので、成果が出ていない部門は設置しない、さらには人員すら配置しないのも致し方ないと言わざるを得ません。
結果として、セールスにマーケティング業務が与えられたり、役員がマルチに役割をこなすため、セールスとマーケティングが切り分けられずに混同されてしまっています。
あなたの会社におけるセールスの役割は何ですか。
改めて、ほとんどの企業には営業部門、もしくは営業担当者が配置されています。公益法人では、会員募集担当や寄付金募集担当という役割になるでしょう。第一義は、この部門の役割は商品を売ること、契約を取ること、申し込みをもらうことになります。そのための第二義として、新規顧客の開拓、商品を知ってもらうこと、サービスを知ってもらうこと、お客様が享受するメリットを知ってもらうことなどでしょう。しかし、これは、マーケティング業務の一端です。
改めて、あなたの会社におけるマーケティングの役割は何でしょうか。
中小企業には、マーケティング部門がない場合が多くなります。中小企業の多くは、メディア対応の必要がなく、会社に必要な利益があれば、セールスが行う以上のマーケティングは必要ないのかもしれません。
しかし、本当にマーケティングの役割は必要ないでしょうか。
大きな企業と同じように、テレビもネットも新聞も、様々な展示会に出展し、様々な地域のイベントに協賛し、講演会や会社のパーティを開催、CSR活動にも労力をかけることは到底できないでしょう。でも、会社として業界団体に所属したり、会社周辺の環境維持活動に参加したりしている企業は多いはずです。これは、マーケティング活動そのものですから、マーケティングを不要としている企業はほとんどないといっても過言ではありません。
あなたの会社も、マーケティングが不要なのではなく、マーケティングの役割がが定義されていないだけと言えないでしょうか。
もう一度、セールスとマーケティングの役割を考えてみましょう。
セールスは、この部門の役割は商品を売ること、契約を取ること、申し込みをもらうことで、売り上げを作ることになります。
マーケティングは、商品を知ってもらうこと、サービスを知ってもらうこと、お客様が享受するメリットを知ってもらうことなどマーケットを広げることになります。
セールスの役割、マーケティングの役割を整理することで、理想的なセールスとマーケティングの関係性が見えてきました。
マーケティングが市場を広げ、セールスが売り上げに変える。もう少し具体的に書くと、マーケティングがリードを獲得し、セールスが顧客化する、というのがマーケティングからセールスへの理想的な流れです。
しかし、これまでのマーケティングでは、マーケティングの成果がわかりません。私たちがオススメしているインバウンドマーケティングでは、この問題を解決することができます。
どのように、見込客が顧客化するのか、思い出してみましょう。
※思い出せない方、初めてこの記事を読んだ方は「カスタマージャーニー とコンテンツ見込顧客に心地よい旅をプレゼントしよう」をお読みください。
カスタマージャーニー では、認知→検討→決定というプロセスを考えました。では、カスタマーはどのように顧客化するでしょうか。一般的には、下記の①から⑥までのステップを踏んで顧客化していきます。
①訪問者(Visitor):webやセミナーなどへの訪問者
②リード(Lead):問い合わせや顧客情報を残してくれた方
③MQL(Marketing Qualified Lead):マーケティングによって顧客化の可能性が高いリード
④SQL(Sales Qualified Lead):セールス活動を行えるリード
⑤見込客(Opportunity):セールス対象
⑥顧客(Customer):契約者・サービスの利用者
訪問者をどのように顧客化していくかという課題に対して、このようなステップを社内で定義している企業は少ないと思いますが、あなたの会社ではいかがでしょうか。
では、本題のMQLとSQLです。
もうおわかりのように、訪問者に対してSQLまでのステップを上がってもらうことがマーケティングの業務範囲になります。そして、SQLとしてセールス部門にリードを引き渡す、具体的には顧客情報を引き渡すと、決定することが業務プロセスの明確化であり、マーケティングとセールスを連動することです。下図をイメージしてマーケティングとセールスを業務プロセスとして明確化することがあなたの会社を成功に導きます。
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