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Hubspot Hacks #7 HubspotでWEBサイトの構築

 Hubspotは、マーケティングオートメーション(MA)と呼ばれるSaasに分類されていますが、SFAやアナリティクスなどその充実した機能は他のMAを圧倒しています。Hubspotは、月額3,000円から始められるCMS=コンテンツマネジメントシステムを販売しており、今回はその機能をつかってWEBサイトを立ち上げる方法をご紹介します。

cover story

"税理士事務所でWEBを任されている桜庭弥生さん(28)税理士事務所は、毎年、細かく変更される税制や社会保険制度などに対応していかなくてはいけません。つまり、新しい情報を正確に業務に反映するとともに、顧客や見込顧客に伝えていく必要があります。そこで、表札代わりになっているWEBサイトの改訂を所長に命じられましたが、デザインの変更だけでは活用できるWEBサイトにならないのではないかと考えています。また、WORDPRESSの脆弱性も指摘されており、何が適切か不安を抱えています"

このようなお悩みを一気に解決できるのが、Hubspot CMSですので、機能を細かく紹介したいと思います

 

目  次

1.はじめに

2.そもそも普通のWEBサイトと何が違うのか

3.WEBサイトを移行する

4.WEBサイトをパーソナライズする

5.ブログ・ランディングページを用意する

6.コンテンツを評価する

7.CRMと連動し見込顧客を獲得する

8.おわりに


1.はじめに

 WEBサイトに多額の費用をかけるとその分、その金額を回収するには時間がかかってしまいます。そもそもWEBサイトからどれくらい顧客化できているか把握できている企業は少ないことでしょう。


2.そもそも普通のWEBサイトと何が違う

 最近、一般的なCMSであるWordpressを使ったWEBサイトの構築とHubspot CMSによるWEBサイトの違いを表にまとめてみました。

 

Wordpress

wp-2

Hubspot

hubspot_sq-3

ドメイン 必要 必要
WEBサーバー 必要 不要
WEBサーバーの設定 必要 不要
CDN ホスト先次第 標準
デザイン 必要 必要
マーケティング戦略 不要 必要
コーディング 必要 一部必要
開発言語 PHP Hubl
(javaベース)
テンプレート 非常に多い 十分に多い
セキュリティ アドイン必要 含む
パーソナライズ なし あり
CRM 外部もしくは開発 実装あり
SNSへの自動投稿 あり あり
CTA作成機能 なし(別途) あり
分析機能 なし(別途) あり
A/Bテスト なし(別途) あり(pro以上)
料金 ライセンス料は無料
パッチ処理などのメンテナンスはホストサーバによる

36,000円/月

メンテナンスはすべて含んでいる

 

以下の3点を達成したいなら、WordpressよりHubspotが優位にあるでしょう。

  • WEBを動的なサイトとして構築し、売り上げにつなげる
  • WEB制作とマーケティング支援を分別する
  • マーケティング⇒セールス⇒サポートまで一貫してカスタマーサクセスを達成する

 


3.WEBサイトを移行する

 Hubspot CMSへの移行は簡単です。

 

  • 普通のWEBサイトの場合

 基本的は、HTMLやCSSをそのままコピー&ペーストするだけです。

 自分でやりたくない場合は、Hubspotの移行サービスを使うことができます。料金6万円程度

 

  • Wordpressで制作されている場合

 当初、動的なコンテンツを増やそうとしてWordpressで制作されているサイトを多くみかけます。

 残念ながら、当初の目論見を達成できず、ブログ、ニュース、コラムといった動的なコンテンツ部分は更新されず、そのまま・・・・な状態になっています。

 Wordpressで制作されたサイトも、Wordpressからの移行用ツールを使えば簡単にHubspot CMSに移行できます。

 

 


4.WEBサイトをパーソナライズする

 マーケティングで一番やりたいこと。

 それは、アクセスした人によって、時間によって、見せるページを変えたい。マーケターやデザイナーは、アクセスするひとを思い浮かべながら、サイトをデザインしています。アクセス数は、サービスによって異なりますが、それでも複数のペルソナを思い浮かべるでしょう。全国規模でサービスしている会社なら、地域によって見せる事例を変えたいものです。

 そんなマーケターやデザイナーの希望に叶える機能がパーソナライズです。

 Hubspot CMSがパーソナライズできるのは、CRMと連携していることによるものです。

 例えば、Hubspotでマーケティングされているv-cuve様にアクセスすると下記のようなトップページになっています。十勝バス様、札幌医科大学様、アインファーマシーズ様など北海道では有名な企業の事例が紹介されています。

 私は、v-cube様に資料請求などしていますので、CRMに住所や名前が登録されていますので、北海道での導入事例が真っ先に紹介されています。私が欲しい情報は、同じ地域での導入事例や知り合いがいる企業での導入事例の場合が多いので、この情報に早く行きつくことは非常に利便性が高いサイトと言えるでしょう。

 あなたのWEBサイトでは、どのように利便性を高めていますか。

 

v-cubev-cube様の事例

 


5.ブログ・ランディングページを用意する

 お金を払ってまでCMSを導入する理由は何でしょうか?

 それは、お客様に最新の情報をコンテンツとして届けることです。最近では、届けにくいので、インターネット上で見つけてもらえるように最適化されたコンテンツとしてストックすることです。良質なコンテンツは、あなたの会社にとって資産になります。といっても、わかりにくいかもしれませんので、なぜ、ブログが資産になるのか、簡単に説明します。

 ブログサービスが始まったころ、芸能人ブログだったり、社長ブログだったり、旅行ブログだったりが大流行しました。特に、アフィリエイターと呼ばれるブロガーは、ブログをマネタイズして新しいビジネスをけん引していきました。しかし、多くのブログは、個人的な日記だったので、長く続くことはありませんでした。その延長線上に、企業サイトにMovableTypeやWordpressに代表されるCMSを利用して、ブログを開設させるのが、WEB制作会社の戦術だったように思います。残念ながら、ほとんどの企業ブログは、更新されずに、負の遺産となってしまいしました。ここまでは、ブログ=負の遺産です。

 しかし、数年前からビジネスブログやオウンドメディアと呼ばれるコンテンツとしてブログを見直す動きが出てきました。技術系オープンでは、はてなブログ、QIITAなどが代表的なコンテンツ型のブログです。このような動きを完全に自社コンテンツとして作成していく動きが急速に発展しました。その代表的なプラットフォームが、WordpressやHubspotです。Wordpressは、自由度が高いので、設計や開発をしっかりやれば、非常に有用でしょう。Hubspotは、パッケージとしてWEBサイトやブログサイトが提供されているので、テンプレートを利用すれば、ノンプログラミングでオウンドメディアを構築できます。CMSを使ってオウンドメディアを構築する際の留意点は以下のようになります。

  • コンバージョンまでの導線が明確になっていること
  • 開発費に費用をかけすぎず、運用を継続的に行うようにすること
  • 顧客や見込顧客、場合によっては自社社員、採用予定者にもコンテンツを見てもらうこと
  • コンテンツを評価できること

 オウンドメディアとして運用していくことによって、オーガニック検索で長い期間をかけて検索されたり、メールマーケティングで見込顧客に周知したりすることができます。自社のWEBサイトには、リファーラルとして見込顧客がサイト内を回遊し、ダウンロードコンテンツを用意すると、インサイドセールスにつなげることができます。ここまでできれば、WEBサイトやブログは、貴社の重要な資産となることでしょう。


6.コンテンツを評価する

 全てのコンテンツが、オーガニック検索で上位になることはありません。そして、ビッグキーワードと呼ばれる誰もが検索するようなキーワードで上位を取るのも難しいです。しかしながら、複数キーワードや新しいキーワードは、検索にかかりやすくなります。そして、訪問者にぴったりのコンテンツであれば、その訪問者は見込顧客に変わるでしょう。そのエンゲージメントやコンバージョンをコンテンツごとに評価しなければなりません。場合によっては、コンテンツに使っている言葉を検索にかかりやすい言葉に変える必要があるかもしれません。携帯電話と書いた記事は、できるだけ早くスマホに変える必要があります。

 コンテンツは熟慮して作成するほどに、資産としてあなたのために活躍してくれるはずです。分析機能が十分に揃ったCMSを使わなければ、評価するために費用がかかったり、評価に時間がかかったりします。

web analytics-1

 


7.CRMと連動し見込顧客を獲得する

 CRMとCMSが連動している。非常にわかりにくいかもしれません。

 改めて整理すると、以下のとおりです。

 CRM:顧客関係管理と呼ばれ、顧客の個人情報と顧客とのコミュニケーションの結果を管理するシステム

 CMS:WEBやブログなどのコンテンツの作成やバージョン管理、相互リンクなど管理するシステム

 この2つのシステムが連動するとは、どういうことでしょうか。

 WEBマーケティングに有用なCRMは、訪問者のトラッキング機能があるものです。CookiesやIPアドレスを使って、訪問者がCRMに登録されている見込顧客(もしくは顧客)であることを確認できるシステムである必要があります。つまり、CMSを使って作成したコンテンツの訪問者が、見込顧客であるかどうかを認識し、見込顧客でない場合、つまり無名の訪問者だった場合には、見込顧客として情報を取るための仕掛けが機能するのです。

 あなたの仕掛けが訪問者のニーズにあっていれば、何の障害もなく見込顧客として登録してくれるでしょう。

 


8.おわりに

 Hubspot Hacksでは、Hubspotの思想には深くは触れず、使い方に焦点を当てて紹介しています。

 今回は、HubspotでもWEBサイトが構築できること、構築したWEBサイトがCRMと連動することで、コンバージョンを高められることを紹介しました。

 デザイナーが素晴らしいデザインを考え、プログラマーがコーディングしているWEBサイト、世界で最もたくさん使われているWordpressで構築されたブログ、またはオウンドメディアは、ただの負の遺産となってしまっています。Hubspot CMSを導入して、資産になるWEBサイトを構築しませんか。

WEBサイト保守を担当するみなさんへ

 WordPressのバージョンアップによる様々な確認作業や設定変更、場合によってはアドオンの変更から解放されませんか?

 


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Topics: インバウンドマーケティング, HubSpot, マーケティングオートメーション, HubSpot Hacks

この記事を書いた人: 田邊 慎太郎 on 2019/08/22 10:30:00

1974年生まれ。MARVELSUPPLY 代表取締役社長・MBA 大学卒業後、シンクタンク研究員を経て、同社を設立 データサイエンス分野を中心に活躍。 データに基づく分析によってお客様に理解・納得していただける 戦略や戦術の提案を心がけています。 小樽商科大学大学院ビジネススクール卒業