データサイエンス・マーケティング NOTE

DATASCIENCE / MARKETNG NOTE

今さら聞けない Hubspotって何?Inbound2019に参加して

 弊社MARVELSUPPLYは、札幌に事務所を構えるIT事業者です。もともと地方シンクタンクで研究員だった現社長が起業し、主にデータ分析を事業としています。このような事業者である弊社は、なぜHubspotのパートナーとしてコンサルティング事業を始めたのでしょうか。それには、Hubspotのシステムだけではなく、Hubspotの創業者であるブライアン・ハリガン、ダーメッシュ・シャア、そして、Hubspot社自体が持っている魅力があるのです。

cover story

"データ分析の受託を主な事業とする経営者 田邊慎太郎(45)”技術者あがりで営業が好きではない、できればPCに向かってデータを眺めていたい技術系の経営者。なかなかお客様のニーズとマッチングするサービスを提供できず、淡々と事業を行なっていました。そんな企業にCRMで顧客情報を管理しようとデータを管理し始めました。しかし、クラウドにデータがあがっているだけで、データは有効に活用できませんでした。そんな時、HubspotがCRMを無料で利用できるようになりました。Hubspotに出会うことで事業が大きく動き始めました。

 

目  次

1.はじめに

2.書籍「インバウンド・マーケティング」について

3.創業者ブライアン・ハリガンとダーメッシュ・シャアにについて

4.Hubspot社について

5.INBOUND2019

6.おわりに


1.はじめに

 2019年9月3日〜6日までアメリカ合衆国ボストンでINBOUND2019が開催されました。このイベントは、Hubspotがメインスポンサーとなって開催されるHubspotサミットのような会合です。また、創業者の2人によるキーノートスピーチや新サービスが発表される重要なイベントとなっています。

 日本からは、弊社の他に数社のパートナーが参加しており、キートートスピーチや新サービスについては、下記のサイトに詳しく書かれていますので、割愛したいします。

 

  • INBOUND2019:Hubspot CEO ブライアン・ハリガン キーノートスピーチ

Hubspotブログ:顧客体験の創造的破壊:スマートな成長を牽引する新しいリーダー企業

 

  • Hubspotの新サービス

タービン・インタラクティブ Turboブログ:【速報】INBOUND2019 HubSpot製品アップデート

パンセHubspotブログ:INBOUND 2019レポート 追加された新機能について

 

 Hubspotパートナーになることを決めたのは、衝撃を受けた書籍「インバウンド・マーケティング」の影響です。さらに、Hubspot社が定めている「カルチャーコード」も、経営者として大きな影響を受けました。今回は、INBOUND2019に参加して、さらに増していったHubspot社の魅力について書いていきます。

 


2.書籍「インバウンド・マーケティング」について 

 弊社によるWEBサイトの提案やマーケティング施策は、このインバウンド・マーケティングによるところが大きいです。

 その本がこちら。もちろん、ブライアン・ハリガン、ダーメッシュ・シャアの著書です。

 「副題にあるように、オンラインで顧客を惹きつけ、招き、喜ばせるマーケティング戦略」の基礎となるものです。2000年代初めは、ブログが大流行しました。今でもたくさんの利用者をもつアメブロは2004年サービス開始ですが、ブログシステムでは後発だったように記憶しています。そんなブログは大流行したのですが、そのほとんどが個人ブロガーでした。ブロガーたちは、アフィリエイトシステムを利用し、記事をマネタイズすることで大きな稼ぎを得ていきます。今のYoutuberです。

 そんなブログは、企業のマーケティングにも使えるだろうということから、非常に丁寧に書かれています。

 消費者を煽ったり、脅したり、広告を押し付けたり、「そんなマーケティングはもう終わりにしよう!」というメッセージ性の強い内容になっています。

 いかがでしょう。TVを見れば「CMの後で」新聞には「大量のチラシ」固定電話は「勧誘ばかり」・・・このようなマーケティングで獲得した顧客は、本当にあなたのサービスに納得してくれているのでしょうか?特に、BtoBをビジネスにされている企業は、訪問営業ができなくなったり、Eコマースの発展によって見込顧客の獲得が限られてきています。あなた自身がされたくないマーケティングをあなたの顧客に押し付けていませんか。

 さらに、ブログを書くということは、情報を発信するということです。そして、WEBサイトに情報を集めて情報Hubにすることです。Hubとは、Hub&Spoke(ハブアンドスポーク)のHubで、Hubとは自転車の車輪の軸の部分のことをいい、spokeが集まる部分であることから、様々なものが集まる場所として例えられます。Hubspotは、マーケティングのHubとして各企業のWEBを整備していこうというものです。インバウンドマーケティングによってマーケティングやセールスが機能すると、クロージングのプレッシャーから解放される、そんな感想を持ったことを覚えています。

 


3.創業者ブライアン・ハリガン、ダーメッシュ・シャアについて

 ブライアン・ハリガンは、HubspotのCEOであり、MITスローン経営大学院の助教です。大学卒業後、友人が起業したスタートアップ企業で働き始め、アジア事業の責任者として活躍します。その後、2004年にMITスローン大学院に入学し、ここで運命的な出会いがあります。

 一方、ダーメッシュ・シャアは、HubspotのCTOであり、多数のスタートアップへの出資者です。インドに生まれたダーメッシュは、インドからの移民ですが、大学はアメリカでコンピュータサイエンスの学位を取得しました。IT企業に就職しますが、起業しいくつかの会社を設立しますが、マネジメメントに疲弊し、教員になるためにMITスローン経営大学院に入学します。ここで、後にHubspotの共同経営者となるブライアン・ハリガンと運命的な出会いがありました。

 MITで共に学んだ二人は意気投合しますが、先に卒業したブライアン・ハリガンはベンチャーキャピタルで働き始めます。しかし、スタートアップが多額のマーケティング費を投じて、広告や展示会など旧来のマーケティング施策では効果が出ないことを目の当たりにします。

 ダーメッシュ・シャアは、大学院に残りPh.D取得を目指しながら、OnStartup.comというブログを立ち上げ、その読者は70万人にも達します。2人はこのブログをはじめ、ダーメッシュが読者を集めた方法を徹底的に分析し、インターネット上で見つけられる方法を見つめました。また、多くの議論の結果、

「人々は、マーケターの強制介入や営業マンによるハラスメントなど求めていない。彼らは、助けを求めているのだ。」という真理に到達しました。

 そして、広告などの既往のマーケティングを「アウトバウンド・マーケティング」、彼らが提唱する見つけてもらうマーケティングを「インバウンド・マーケティング」と定義しました。これを漏れなく実施できるのが、社名にもなっている「Hubspot」です。

 ボストンに行ってみると、「T」と呼ばれる電車やバスの交通ネットワークでは、中心部に向かう路線を「インバウンド」郊外に向かう路線を「アウトバウンド」と呼んでいました。日本の鉄道でいう「上り」「下り」と同じように「インバウンド」「アウトバウンド」という単語は、ボストンでは馴染みのある単語になっているんだわかりと納得しました。

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ブライアン・ハリガン

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ダーメッシュ・シャア

 

 


4.Hubspot社について

 Hubspotは、企業のマーケティング、セールス、サービスというフロントオフィスを支えるSaasプラットフォームであり、それを開発・販売しているのがHubspot社です。Hubspotのシステムについては、他の記事でもたくさん書いてるので、ここではHubspot社について記します。

 Hubspot社は、2006年に創業されました。本社は、アメリカのマサチューセッツ州ボストンにあり、米ニューハンプシャー州のポーツマス、ダブリン、シドニー、シンガポール、東京に支社を展開し、全従業員は2,700人を超えています。2014年には、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場しました。

 

 Hubspot社は、そのシステムもさることながら、会社として非常に優良な企業であることが有名です。

 日本で一番はじめに有名になったのは、「ほぼ日刊イトイ新聞でのコラボ記事:Unusual」でしょうか。

 そして、Hubspot社のカルチャーコードやカスタマーコードと言われる企業理念は、誰もが憧れる企業理念です。この2つのスライドに、弊社がなぜHubspotユーザーを続けているのか、Hubspotパートナーになったのか、そして、Hubspotに満足しているのか、が詰まっています。

 ここで概要や感想を述べるよりも、皆様自身が2つのスライドを時間をかけて見ることが最良だと思います。

 

 

 そして、先だって訪問してきたHubspot本社です。古いビルを改装して作られたビルは、開放感があり、快適というにふさわしい空間でした。訪問した日は、アメリカの休日後だったため、連休をとっているスタッフが多く、賑わいを感じることはできませんでした。Hubspotのロゴが至るところに。ラウンジでは、ドラフトビールも提供されています。ビアサーバーのノブもHubspotでした。テレキューブ?のような個室も設定されています。

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Hubspot本社外観

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キャッチフレーズ

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ビアサーバのノブも

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テレキューブ?

 


5.INBOUND2019

 INBOUNDは、Hubspotがスポンサードしているインバンドマーケティングのカンファレンスです。ここでは、多くのMarketingTech関連の企業がブースを出展しています。また、多くのワークショップが開催され、主にアメリカ国内から多くの関係者が集まります。日本からも弊社を含めて数社が参加しました。

 メインとなるキーノートスピーチは、ブライアン・ハリガンCEOとダーメッシュ・シャアCTOによって行われます。ブライアン・ハリガンCEOは毎年この場で新しいHubspotの方向性を示し、本年は、「顧客体験の創造的破壊」についてでした。

 Googleやテスラなど少し前のテクノロジー企業は、ビジネスの基礎を技術が支えていました。これらの企業は、多くの特許を取得し、それらをビジネスに生かしてきました。しかし、最近の企業は様相が変わってきました。AirbnbやSpotifyなど新興企業は、そのビジネスの基礎をサービスに置いています。もちろん、製品のユーザビリティや品質は優れていることが前提ですが、加えて非常に優れたサービスを提供していることに注目しなければなりません。このキーノートスピーチでは、Hubspotを使って新しい顧客体験を提供することが我々パートナー企業に求められたことはいうまでもありません。

 様々な情報や技術が集まり、新しい価値観を提供してくれるHubspotのブライアン・ハリガンCEOスピーチは一度は参加してみて無駄にはならないでしょう。INBOUND

keynote


6.おわりに

 私たちの周りには、多くのサービスが溢れています。そのサービスは、自分にとっては過剰なサービスかもしれません。例えば、スマホには、電話機能は不要で、チャット、無料通話、好きなアプリが入れられるだけで十分です。しかし、私たちはiphoneのデザインに憧れ、Appleの企業理念に魅了されます。

 つまり、サービスが選ばれるにはそれを提供する企業の魅力が重要な要素になっています。

 Hubspotをマーケティングオートメーションに限定すれば、SalesforcPardot、Marketoといった海外サービス、ListFinder、Kairos、シャノンといった国産サービスが競合サービスになります。使い方によってそれぞれが十分な機能を提供しているかもしれませんが、私が知る限り、Hubspot社以上の企業理念とそれを実践している企業はありません。

 もし、Hubspot社のカルチャーコードやカスタマーコードに共感していただけたなら、Grow with Hubspotを一緒に体験しましょう。

 


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Topics: インバウンドマーケティング, HubSpot, マーケティングオートメーション

この記事を書いた人: 田邊 慎太郎 on 2019/09/20 9:00:00

1974年生まれ。MARVELSUPPLY 代表取締役社長・MBA 大学卒業後、シンクタンク研究員を経て、同社を設立 データサイエンス分野を中心に活躍。 データに基づく分析によってお客様に理解・納得していただける 戦略や戦術の提案を心がけています。 小樽商科大学大学院ビジネススクール卒業