データサイエンス・マーケティング NOTE

DATASCIENCE / MARKETNG NOTE

すぐわかるHubSpot導入の手順:5STEP

弊社がHubSpotのCRMを導入したのが昨年2017年5月。

それから本年2018年10月の運用開始までを5つのSTEPにわけて導入方法をご紹介します。

 

STEP0 HubSpot導入の経緯

現在、弊社の業務形態は、受託業務型です。お客様からのご依頼内容から作業仕様書と見積書を作成し、合意にいたった上で、仕様書に則った業務を実施します。建築・建築業やIT関連などと類似の業務形態だと思います。案件数は、年によってばらつきはありますが、年間約50案件程度の業務を実施します。また、引き合いをいただく案件数は、その1.5倍程度の案件数です。さらに案件化した業務のうち3割程度が新規案件です。弊社で課題だったのは、案件と顧客の紐づけ作業です。特に、新規案件は、数年に1度お仕事いただけるお客様もあり、忘れた頃にお声掛けをいただけるお客様とのコミュニケーションが手薄になっているという状況でした。

ですので、HubSpot CRMの導入は、顧客情報、営業情報、案件情報を紐づけることが最大のミッションでした。

内部の課題としては、マーケティングや営業に関わる業務は間接経費ですから、売上の少ない企業、利益率の低い企業、少人数の会社においては、そこへのリソースは最小限にして、生産的な作業時間を最大限確保することで、利益につなげたいということです。

わかりやすい例では、営業に通常の勤務時間をとられしまい、受託した業務を全て残業時間に実施すると、単純に残業時間分の割り増し給与25%が経費として増加しますので、その分、利益を減らすことになります。弊社の経費率からいけば、残業=利益率マイナスになる計算です。以上を勘案すると、CRMの導入が、弊社にとっては、名簿管理や案件管理という面倒な作業を減らしてくれる便利なツールという印象でした。


STEP1 HubSpot CRM導入

まず、弊社では、HubSpotをインバウンドマーケティングやマーケティングオートメーションのためではなく、無料でCRMを使いたい、という打算的、いや、セコイところから始まりました。ちなみに、それまではZohoCRMを使っていましたが、使い勝手がいまいちで、名簿整理程度の使い方でした。HubSpot CRMによって、営業情報と顧客情報の紐づけができることがわかったので、乗換えを決断しました。


STEP2 取引内容の管理

HubSpot CRMに乗換えてからは、積極的な案件管理を進めます。どんな小さなお問合せでも、どんなに成約確率が低いお問合せでも、どんどんお客様のお名前と案件名・概要を入力していきます。HubSpot CRMでは、無料で案件が管理できる「取引」という機能が使えますので、次のようなフローを見える化できます。

お問合せ ⇒ 要望ヒアリング済 ⇒ 仕様・見積提出済 ⇒ 内諾済 ⇒ 契約or失注

すると、少しづつ社内の空気が変わり始めます。どのような動きでどのようなお仕事をいただけるのか、逆に、どのような仕事は処理しにくいのか、見積もりや仕様が適正だったのかが、一目でわかるようになってきます。顧客情報、営業情報の共有化が達成されました。


STEP3 有料バージョンProfessional導入

ここで有料版Professionalへのアップグレードを決断します。

決断の大きな理由は、営業担当者の交替、マーケティングプロセスの導入です。弊社に限らず、ほとんどの会社は、セールスもマーケティングも混同しているのではないでしょうか。無論、弊社もその一つでした。契約に向かうプロセスとして、弊社を知ってもらうこと、サービスをしてもらうこと・・・・お客様との契約、業務開始といった様々なフェーズがありますが、契約とれるなら・・・

プロセスはどうでもよい

・・・という考えでした。あなたの会社はどうですか?プロセスはどうでもいいですか?

どの会社でも、営業職は会社の顔であり、売上に大きく貢献する職種です。しかし、マーケティング職は売上に貢献しないと思われています。本当にマーケティングは貢献しないのでしょうか。それは、マーケティングの手法やシステムに原因があるのではないでしょうか。

HubSpot Sales Hub Professionalへのグレードアップでまず取りかかったのは、全職員のメールアカウントをHubSpotに統合することです。HubSpotには、メールクライアントの機能がありますので、全職員がシステム内でメールの送受信(プロトコルはIMAPが対応)をします。わかりやすく言えば、自社のメールをWEBメールで送受信するできるようになります。(Free版では、GmailとOffice365を統合できますので、お試しください)

メールを統合することによって、CRMに登録されているメールアドレス”のみ”送受信が全て誰でも読めるようになります。ありがちな連絡忘れ、誤送信も相互チェックが働きますし、未然に防ぐとにも繋がります。「経営者であっても、会社のメールを個人的に使ってはいけませんよ。」


STEP4 ブログ・Eメールマーケティングとマーケティング分析

業務プロセスを改善するにあたっては、マーケティングとセールスをつなぐ必要があります。CRMに登録される情報は、営業が集めてきた名刺からだけではなく、WEB経由でも情報を収集しています。そこで、必要になってくるのが、ブログ機能です。ブログ機能は、いわゆるCMS(コンテンツマネジメントシステム)ですので、データを定型で作成・更新できればよいでしょう。ブログのために、お客様のためになる情報を収集し提供しますが、常に、書きたい記事と読みたい記事には、ギャップがあります。このギャップを埋めるために、マーケティング成果を分析していきます。お客様が読みたい記事が書けていれば、欲しい情報が掲載できているということなので、オーガニック検索が増えますし、Eマーケティング(メルマガ発行)では、開封率や記事のクリック率が増えることでしょう。このような分析をHubSpotのアナリティクス機能を使って分析し、日々、バージョンアップしていきます。

※細かくは、もっといろいろな作業がありますが、基本設定はシステム内部でワークフローが提供されますので、それに則ってやればすぐに終わります。


STEP5 マーケティングオートメーション

弊社は、現在、マーケティングオートメーションに取り組んでいるところです。恐らく、このマーケティングオートメーションには終わりがありません。コンテンツを掲載し、アクセスが増え、新しいランディングページに誘導し、顧客化していく、恐らく、HubSpot自体も進化していくでしょう。HubSpotの充実が、会社の成長と結びついていくと考えれば、これほど便利はツールはないだろうというのが、現在、1ユーザーとしての感想です。

何とか、皆さまとこの感覚を共有できるように、様々なチャネルでお伝えしていきたいと思います。

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Topics: インバウンドマーケティング, HubSpot, 顧客管理(CRM)

この記事を書いた人: 田邊 慎太郎 on 2018/11/06 16:00:00

1974年生まれ。MARVELSUPPLY 代表取締役社長・MBA 大学卒業後、シンクタンク研究員を経て、同社を設立 データサイエンス分野を中心に活躍。 データに基づく分析によってお客様に理解・納得していただける 戦略や戦術の提案を心がけています。 小樽商科大学大学院ビジネススクール卒業